Hair Salon CHIMNEYのデザイナー只石快歩さんに聞いてみた
Hair Salon CHIMNEYを生みの親である、デザイナーの只石快歩さんに制作過程でのお話などを質問形式でお答えいただきました。
Q.1 Hari Salon CHIMNEYのコンセプトを教えてください。
A.「えんとつ町のプペル」の世界に存在しているような美容室というのをめざしました。
デザインする部屋の広さが、座席ひとつの個室となることからイメージを膨らませたわけですが、座席がひとつで成り立つ美容室って特別感あるじゃないですか?
つまり大衆向けというよりも上流階級向けというか。
えんとつ町の上流階級が出入りする個室美容室ということは、上品でありながら、たとえば千利休を介して武将と密談の場であった茶室のように、外に漏れてはいけないような情報交換の場でもあるんじゃないかと想像しました。
そのような空間はえんとつ町の中では高層の建物の奥のほうの部屋とか、逆に裏路地を進んだ先とかにありそうだな、というイメージを窓であったり入口であったりに混在させた空間づくりをしています。
上品な空間を演出するのには、店主のデスクや照明器具などの内装小物にえんとつ町での調度品をちりばめて鏡越しにそういったものに囲まれている自分が映るようにレイアウトを計算しました。
そしてなによりここがえんとつ町であるということを表現するために無骨な煙突や配管が視界を占めるようにデザインしています。
幻の設計図。サロン内にある鳥籠にこんなストーリーが隠されていたとは...
Q.2 これまでもスナックや宿泊施設等、えんとつ町のプペルの世界観を再現したデザインをされてきたと思いますが、ヘアサロンを作る過程で大変だったことや拘った点はありますか?
A.「ヘアサロンでは明るさの基準というのがあり、つまり明るくしておかないといけないんですね。
ところが、えんとつ町は煙に覆われた町なので薄暗い世界なんです。空間を作り出す上で暗さの演出でえんとつ町の世界観を表現することが多かったので苦労しましたが、CHIMNEYではカットする座席まわりの明るさは確保しつつ、そこに入る手前の場所をグッと暗くすることで明暗差でえんとつ町の雰囲気を作っています。
アンティーク家具がおしゃれで素敵です。忠実に再現されているので、ぜひこの設計図と実物を見比べていただきたい。
Q.3 Hair Salon CHIMNEYに来たらここは見るべき!という注目ポイントはありますか?
A.大きな鏡をおいても不自然ではない空間こそヘアサロンらしさだと思うので、鏡の中の空間デザインには特に気をくばりました。
カットしている間って鏡越しの景色をながめるので、実際に座席に座って自分越しの照明の位置や小物の位置を丁寧にレイアウトしています。
噂の煙突!!存在感が凄いですが見事にサロン内に溶け込んでいます。